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ただ撮るだけじゃない。合唱撮影の裏にある、私たちのこだわり

  • 執筆者の写真: 知隆 大川
    知隆 大川
  • 10月31日
  • 読了時間: 4分

歌声が響くと、撮影しているこちらまで胸が熱くなります。


こんにちは、スマイルコア 代表の大川です。


合唱コンクール・合唱祭の撮影は、学校行事の中でも、独特の緊張感と感動がある現場です。

静まり返った体育館に、ピアノの音と生徒たちの声が重なっていく瞬間。

あの空気を感じながら撮影していると、

「ああ、この子たちの頑張りをしっかり残さなきゃ」

と、自然と背筋が伸びます。


今日は、そんな合唱撮影の裏側を少しだけお話ししたいと思います。

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1. 曲ごとに「カット割り」を作っています


「カット割り」というのは、カメラの切り替え計画のことです。


たとえば、

  • 冒頭は女声がメインで歌っているから女声を撮って、次のフレーズで男声が

    加わるから、次のカットは男声を撮ろう

  • 1番のサビは男声から撮ったから、2番のサビは女声から撮ろう

  • ここは指揮者が熱くなるシーンだから指揮者を撮ろう


…といった具合に、1曲ごとに撮影構成を決めておくのが私のやり方です。

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この“カット割り”を作ることで、どんな場面でどの映像を撮るかが明確になります。


本番では瞬間的な判断が多いので、あらかじめ

「ここはどのパートが歌っているか」

「どのパートが目立つことをしているか」

を整理しておくことで、安定した映像に仕上がるのです。


ソプラノパートしか歌っていないシーンで、映像に男性パートが映っていたら

「え?」ってなりますよね??

そんな間抜けな映像にならないように、何度も何度も曲を聞いて、事前にしっかり準備をしています!


おかげでこの時期の鼻歌は基本的に合唱曲になります(笑)





2.カメラマン同士の「連携プレー」


ご依頼いただくプランにもよりますが、カメラマン2名で撮影することが私たちのスタンダードです。


その際、各カメラマンが勝手に撮るのではなく、事前に準備したカット割りを見ながら撮影するのはもちろんですが、お互いの映像をリアルタイムで確認しながら撮影を進めます。


その理由は2つあります。




一つは「画角被りを防ぐため」です。


お互いの撮っている映像を見れることで、

「この子は今あっちのカメラで撮っているな」

ということが把握できて、映っていない子を的確に撮影することができます。


「同じ子が何度も映って、あまり映らない子が居る」

という状態を少なくするためでもあります。


また、

「あっちのカメラは女声全体だから、自分は少しアップで撮ろう」

など、臨機応変な対応もしやすくなります。


撮影中にインカムで

「左の子もう一人入れて」

など、声をかけ合ったり、お互いの映像を“見ながら動く”ことで、合唱全体の呼吸を合わせるように撮影しています。





もう一つの理由は「映らない生徒を確実に映すため」です。


合唱には指揮者がいるケースがほとんどですが、正面のカメラから指揮者の前の生徒が被ってしまって映らないケースが多くあります。


事前に映らなそうな立ち位置の生徒は気にかけてはいますが、指揮者の立ち位置によって映らない生徒も変わってきます。


お互いの映像を見ていることで、

「向こうのカメラからはこの生徒が映らない」

ということを的確に把握でき、もう一台のカメラで意識的にその生徒を画角に入れることで、撮りこぼしなく撮影することができます。






3.表彰式も「ドラマの続き」


合唱が終わると、最後は表彰式。

ここにも、大切な物語があります。


クラス名を呼ばれた瞬間に手を口に当てて喜ぶ子、

惜しくも入賞を逃して涙をこらえる子、

肩を組んで仲間を称え合う子たち――。


その一瞬一瞬に、子どもたちの想いが詰まっています。

だから私は、表彰式も「合唱の延長」としてしっかりカメラを回します。


特に好きなのは、表彰後に自然と起こる“歓声と拍手の波”。

あの音の中には、努力したみんなの気持ちが重なっていて、

映像越しでもそれがちゃんと伝わる気がします。





合唱撮影は、チームの心を映す仕事


合唱の撮影は、単に記録するだけではなく、

クラスの絆や成長を“残す”仕事だと思っています。


カメラの前に立つ子どもたちだけでなく、指導する先生や応援する保護者も、

みんなでひとつの“音楽”をつくっている。


その一体感をどう映像で残すか――そこに、撮影者としてのやりがいがあります。




本番が終わって片付けをしているとき、

「完成を楽しみにしています!」と生徒が声をかけてくれることがあります。

その瞬間、「この映像が誰かの宝物になる」ということ実感します。



合唱撮影の現場は、静かなようでいて、実はとても熱い場所です。

1曲の中に、何百ものドラマが隠れています。

それを丁寧に拾い上げて、未来へ残すのが私たちの役目です。


これからも、歌声と笑顔が響くその瞬間を逃さず、

見る人の心に残る映像づくりを目指して邁進していきます。



ひとまず、鬼のように溜まった編集を頑張ろうと思います★★






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